水道配管には「止水栓」や「制水弁」といった水道を止めるバルブがあります。

さてここで、みなさんに質問します。

水道を止める「バルブ」は、
多いほうが良いのでしょうか?
少ないほうが良いのでしょうか?


例えば道路に埋設された水道本管(配水小管)の道中に、
設置個所が多ければ多いほど、漏水トラブル等による断水時
影響を受ける家屋は少なくなるでしょう。


その代わり、設置数が多くなればコストが増大します。
また、熟練工の接続でないと設置個所から漏水リスクがあります。

これは各自治体の水道局管理配水管の話ですが、

これから語るのは、各自治体が布設した水道本管(配水小管)から
分岐して宅内に飛び込む「給水取出し管」の話です。
バルブ
この「給水取出し管」の所有権は、東京都水道局の見解として、
「その引込みを行った所有者のもの」となります。
ですからこの引込管は原則、お客様の実費にて引き込まれます。

但し、引込みからメータまでの道中での漏水発見が困難
(※1)なため、
水道局はその給水管についての材質の指定施工時の立会い等を求めてます。

つまり平たく言ってしまうと、

「安い材料使うなよ!
オレたち局の息のかかった業者が作った指定材料を使えよ!
でもゼニはテメーらが払えよ! 高いけどな!」


という「口は出すけど金は出さない」方式を採用しています。

※1→メータ以降であれば通常使用料より多くなるため漏水の発見がしやすい。


ちなみに都市ガスの引込工事はなんと原則無料です。

ガスの場合はプロパンガスという、都市ガスとの競合がありますので、
とりあえず引込さえしてしまえば、その敷地は半永久的
都市ガスを利用することになりますから、メリットもあるのでしょう。

一方「水道=水」は、代替するものがありません。
強いて言えば、井戸水雨水浄化水か、、、。

ただ、水質の問題や安定的な供給を考えると、
圧倒的に水道水が優れていますから、なかば「水道」というのは、
まともな競合不在の独占商売とも言えますね。

それはさておき、話を戻しますが、

ひと昔前は、まず「仕切弁B(第一バルブ)」を設置、があり、
メータバルブメータという、1給水取出し管2バルブ方式でしたが、

近年では、仕切弁Bから仕切弁A(メータバルブ)までの短い道中間での
漏水が多発しているとの理由から、
特に理由が無ければ「仕切弁B(第一バルブ)」の設置を極力省略する形、
つまり、1給水取出し管1バルブ方式となりました。

これに対するメリットデメリットですが、

まず、メリットとして「漏水リスクの軽減」が挙げられます。
また、バルブ1個でいいので単純に経済的負担が軽減されます。

一方デメリットは、第一バルブ以降、
現地家屋の状況変化(主に増築や建替)によるメータBOXの移設が困難
ですので、設置の段階から家屋の設計が決まっていないと、
最悪、取付直しになります。

ただ、仕切弁A(メータバルブ)は、
加工によって仕切弁Bへの変更が可能ですから、

総合的に考えてみても、1路線でバルブ1個の設置が、
経済的にも漏水リスク的にも有効となるわけですね。

ところが、武蔵野市水道部は、
いまだ、仕切弁Bと仕切弁A(メータバルブ)の
1給水取出し管2バルブ方式を採用しています。

ちなみに東京都の水道というのは、ほとんどが東京都水道局
支配しており、いまだ軍門に下らず、独立を保っているのが、
武蔵野市昭島市羽村市などがあります。

なぜ、武蔵野市水道部は、いまだ
1給水取出し管2バルブ方式を採用しているの?
この質問を訊いてみても
「昔からそうだったから」「武蔵野市はこうだから」との理由だけで、
武蔵野市という地域性とか、合理的な回答は得られませんでした。

最近の仕切弁は「ボールバルブ」に変わり、
単価もなかなかの良いお値段です。
件数が多くなると割と施工単価の圧迫につながりますね。

もしかすると武蔵野市は武蔵野市独自のローカルルールを堅持することで
武蔵野市の地元業者の保護をしたい意図があるのかもしれない。
はたまた、
武蔵野市とバルブ製造会社との癒着があるのかもしれない。

など、、、こうした陰謀論を考え出すと、

仕事で各市の窓口の違いを見つける度に
ひとつ小説が書けそうな気持ちなる今日この頃です。

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